これまで4回に分けて、マクロ、VBA、そしてVisual Basic Editorを概観してきました。今回から章を2章に改めて、マクロを作るためのより具体的な中身に入っていきます。
まずはマクロの記録について、使い方を解説したいと思います。それでは、行ってみましょう。
マクロの記録
マクロの記録とは、Excel上で実際に行った操作内容を、VBAコードに変換してマクロとして記録してくれるExcelの機能です。
一からコードを書かなくとも、マクロが作れるので非常に便利です。
「マクロって、何?」という方は、本記事の前にこちらの記事をどうぞ。
記録方法は、ざっくり4ステップです。
- [マクロの記録]ボタンをクリック
- [マクロの記録]ダイアログボックスでOKをクリック
- 操作する
- [記録終了]ボタンをクリック
カンタンですね。実際に記録してみましょう。
1.[マクロの記録]ボタンをクリック
[開発]タブ→[コード]グループ→[マクロの記録]をクリックします。
「開発タブが表示されていない!」って方は、前回の記事の[VBEの起動]をご参照下さい。
2.[マクロの記録]ダイアログボックスでOKをクリック
設定項目は後で補足説明します。とりあえず、[OK]をクリックしましょう。
3.操作する
どんな操作でも構いませんが、ここでは例として、B2セルに「マクロ」と入力してみましょう。
4.[記録終了]ボタンをクリック
記録したい操作を終えたら、[記録終了]ボタンをクリックします。
これで実際の操作がVBAコードに変換されている、はずです。早速、確認してみましょう。
マクロを確認するには
記録したマクロはVBEで確認できます。
[Visual Basic]をクリックするかショートカットキーでVBEを開きます。
ショートカットキー:Alt+F11
標準モジュールとしてModule1が作られ、その中に操作した内容がVBAコードで記録されています。
記録内容を少し解説します。
Subに続いて書かれたMacro1がマクロ名です。緑色の文字はコメントです。マクロを記録すると自動でコメントが付きます。コメントは実行される命令ではありません。
実行される命令は3つ記録されています。
一つ目、Range(“B2”).Select
二つ目、ActiveCell.FormulaR1C1 = “マクロ”
三つ目、Range(“B3”).Select
意味としては、「B2セルを選択して、そのセルにマクロと入力して、B3セルを選択する」ということです。確かに操作したことがしっかり記録されています。では、このマクロを実行してみましょう。
マクロを実行するには
[マクロ]ボタンをクリックします。
すると、[マクロ]ダイアログボックスが開きます。
実行したいマクロ名を選択して、[実行]ボタンをクリックします。
マクロが実行され、記録した操作が行われました。
簡単ではありますが、以上がマクロの記録から実行するまでの手順となります。
ついでに、作ったマクロの保存方法を確認しておきましょう。
マクロを保存するには
マクロを単独で保存することはできません。
Excelブックを[Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)]として保存します。ワークシートに入力したデータやグラフなどと一緒にExcelブック内に保存されます。
ファイルの種類で、[Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)]を選択して保存します。
ファイルの種類が[Excel ブック(*.xlsx)]のままだと次の警告が出ます。
誤って[はい]をクリック、もしくはEnterキーを押してしまうと、せっかく作ったマクロがすべて消えます。
どんなに一生懸命に時間をかけて作ったマクロであったとしても、容赦無く綺麗さっぱり丸ごと消えます。
この警告が出た場合は、[いいえ]で引き返してください。そして、マクロ有効ブックを選択して保存してください。
大事なので、もう一度言います。
以上です。
最後に、後回しにしたダイアログボックスの設定項目について解説して終わりにします。
あと一息です、ラストスパート!
補足説明:[マクロの記録]ダイアログボックス
[マクロの記録]ダイアログボックスがこちらでした。
設定項目が4つあります。
- マクロ名
- ショートカットキー
- マクロの保存先
- 説明
それぞれ解説します。
マクロ名
その名の通り、マクロに付ける名前です。
どんな操作を記録したかが後でわかるように名前をつけましょう。
テキトーなマクロ名ばかり付けていると、マクロが増えてきたときに探すのに苦労して泣きを見ます。(←経験アリ)
マクロ名は、後からVBE上で変更ができます。
Subに続く文字を変更します。
変更前
変更後
変更後の[マクロ]ダイアログボックス
ショートカットキー
ショートカットキーでマクロを実行したいときに設定します。
半角のアルファベットを指定できます。大文字、小文字どちらも使えますが、キーの組み合わせが変わります。
大文字を指定したとき:Ctrl+Shift+アルファベット
小文字を指定したとき:Ctrl+アルファベット
後から[オプション]で変更できます。
半角アルファベットを指定します。
マクロの保存先
マクロを保存するブックを次の3つから選択できます。
- 個人用マクロブック
- 新しいブック
- 作業中のブック
下記に該当しなければ、作業中のブックに保存します。
- 個人用マクロブック:すべてのブックに対してマクロを使えるようにしたいとき
- 新しいブック:新しいブックに保存したいとき
個人用マクロブックの詳細については、別記事で解説したいと思います。
説明
マクロに対して、説明を加えることができます。
コメントとして記録されます。
まとめ
今回はマクロの記録について、使い方を解説しました。
マクロの記録はとてもカンタンです。
自動化できそうな作業があれば、マクロにしてみてはいかがでしょうか。
以上、終わり。